大学3年生の1月。期末テストの勉強もしなきゃいけないのに、頭の片隅には常に「就活」の二文字がこびりついている。 重い腰を上げて、リクナビのオープンESや、スカウトアプリのプロフィール画面を開いてみる。
そこに立ちはだかる最初の、そして最大の壁。
「学生時代に最も力を入れたことは何ですか?(400文字以内)」
…書くことがない。 本当に、何もない。
サークル?幽霊部員だった。 バイト?言われたことをやってただけ。リーダー経験なんてない。 ボランティア?留学?そんな意識高いことしてるわけない。
僕もそうでした。偏差値40台のFラン大学で、授業は後ろの方でスマホをいじり、終わればパチンコかゲーム。そんな生活をしていた人間に、人に語れる「輝かしいエピソード」なんてあるわけがありません。
ここで多くのFラン生が、「自分には価値がないんだ」と絶望して、就活から逃げ出します。
でも、待ってください。 社会人3年目になった今、OBとして断言します。
内定を取っている学生も、実は大したことはしていません。 彼らは「すごい経験」をしているのではなく、「ショボい経験をすごそうに見せる技術(プレゼン力)」が高いだけなのです。
今回は、何もないFラン生が、嘘をつかずにガクチカを「盛る」ための、魔法の文章術を伝授します。
大前提:「0→1」の嘘はバレる。「1→100」の盛りはバレない
まず、一番やってはいけないことから話します。 それは「完全な嘘(0から1を作ること)」です。
「やっていないバイトリーダーをやったことにする」 「参加していないボランティアの話をでっち上げる」
これは絶対にやめてください。なぜなら、プロの面接官は「嘘を見抜くプロ」だからです。
なぜ嘘がバレるのか(動画参照)
こちらの動画を見てください。就活塾のプロが、面接で嘘がバレるメカニズムを解説しています。
https://www.youtube.com/watch?v=RdgN9-DxxA8
動画にある通り、嘘をつくと「深掘り質問」に耐えられません。 「その時、具体的にどんな困難がありましたか?」「周りのメンバーはどんな反応でしたか?」と聞かれた瞬間、目が泳ぎ、しどろもどろになり、落ちます。最悪の場合、内定取り消しリスクすらあります。
僕たちがやるべきは「演出」である
では、どうすればいいのか。 僕たちがやるべきは、「事実(1)」をベースにして、それを魅力的に見せる「演出(100にする作業)」です。
- 事実: バイトに遅刻せず真面目に行った。
- 演出: 「組織の規律を守り、安定した店舗運営に貢献し続けた継続力」
言っていることは同じですが、聞こえ方が全く違いますよね。これが就活の正体です。 Fラン生は、自分を過小評価しすぎです。「こんなこと、誰でもできる」と思っているその行動こそが、実はガクチカの種になります。
Fラン専用:「ショボい事実」を「強いガクチカ」に変える3ステップ
では、具体的にどう文章を作っていくか。僕が実践していた3ステップを教えます。
ステップ1:事実を「数字」で武装する
Fラン生のESが弱いのは、内容が抽象的だからです。 「一生懸命がんばりました」「たくさんのお客様と話しました」では、何も伝わりません。
どんなに小さなことでもいいので、数字を入れてください。
- ×:バイトで接客をがんばりました。
- 〇:カフェのアルバイトで、1日平均100名のお客様に対し、笑顔での接客を2年間継続しました。
数字が入るだけで、急に「客観的な事実」っぽく見えます。 (※ここだけの話、この数字は多少「盛って」もバレません。1日80人だったのを「約100人」と言っても、誰も確認しようがないからです。)
ステップ2:「当たり前の行動」に「もっともらしい理由」をつける
ここが最重要ポイントです。 あなたがバイトでやっていた「当たり前の作業」。それを行った理由を後付けします。
例えば、「居酒屋で空いたグラスをすぐに下げていた」という事実があるとします。
- 当時のあなたの本音:(テーブルが狭そうだし、店長に怒られないように下げておくか…)
- ESに書く「理由」:(お客様が常に快適に食事を楽しめる空間を提供するため、潜在的なニーズを先読みして行動しました)
どうでしょうか。ただの「グラス下げ」が、急に「顧客志向の行動」に見えてきませんか? 就活とは、この**「後付けの理由探しゲーム」**なのです。
ステップ3:結論を「企業が好む能力」に変換する
最後に、そのエピソードを通じて発揮された「能力」を定義します。 企業が好きな言葉(キーワード)を使いましょう。
- 継続力、忍耐力(単純作業系におすすめ)
- 課題解決能力、改善力(何かを変えた系におすすめ)
- 調整力、傾聴力(人間関係系におすすめ)
これらを組み合わせれば、最強のガクチカが完成します。
【そのまま使える】魔法の変換例文集(Fランあるある編)
では、Fラン生によくある「ショボいエピソード」を、通過レベルのガクチカに変換した例文を紹介します。これを参考に、自分のエピソードを当てはめてみてください。
ケース1:【授業】ただ真面目に出席していただけ
【変換前(あなたの脳内)】 「特に頑張ったことなんてないけど…強いて言えば、大学が遠かったけど親に怒られるから真面目に通ってたことくらいかなぁ。でも成績は普通だし…」
【変換後(ES用ガクチカ)】 私が学生時代に力を入れたことは、**「当たり前の基準を高く保ち続ける継続力」**です。 私は大学までの片道1時間半の通学を4年間、一日も欠かさず続けました。 長時間の通学は肉体的・精神的な負担が大きく、周囲には欠席がちになる学生も多くいました。しかし私は「学生の本分は学業である」という強い信念のもと、体調管理を徹底し、講義の最前列で受講することを自らに課しました。 その結果、4年間で一度も遅刻・欠席することなく、GPA3.0以上を維持し続けることができました。 この経験で培った、困難な状況でもやるべきことをやり抜く力は、貴社での業務においても必ず活かせると確信しています。
【解説】 ただの「通学」を「継続力」「自己管理能力」に変換しました。「最前列で受講」などは多少盛ってもバレません。ポイントは「周囲がサボる中でも自分はやり抜いた」という対比構造を作ることです。
ケース2:【バイト】言われたシフトをこなしていただけ
【変換前(あなたの脳内)】 「コンビニバイトしてたけど、リーダーとかじゃないし。人手不足の時によく店長に頼まれてシフト入ってあげてたなぁ。あれ、結構きつかったんだよな…」
【変換後(ES用ガクチカ)】 私が最も力を入れたのは、**「組織の課題を自分事として捉え行動する貢献心」**です。 私が勤務していたコンビニエンスストアでは、慢性的な人手不足により、特定の時間帯にスタッフの負担が集中するという課題がありました。 私は一スタッフの立場でしたが、店舗運営を円滑にするためにはこの状況を打開する必要があると考え、自ら進んで人手が足りない深夜や早朝のシフトを引き受けました。また、他のスタッフにも声をかけ、シフトの空白を埋めるための調整役も担いました。 その結果、半年間で急な欠勤による店舗の混乱をゼロにし、店長から「最も信頼できるスタッフ」との評価をいただきました。 この経験から、組織のために自ら考え、泥臭い仕事も率先して引き受けることの重要性を学びました。
【解説】 ただの「シフト埋め」を「組織貢献」「課題解決」に昇華させました。「調整役を担った」「店長からの評価」は、事実ベースであれば多少表現を強めても大丈夫です。
まとめ:完璧な1つを作って使い回せ
いかがでしたか? 「これなら自分にも書けるかも」と思えたのではないでしょうか。
重要なのは、いくつもエピソードを用意する必要はないということです。 今回紹介した方法で、自信を持って語れる「最強の嘘じゃない盛りガクチカ」を1つだけ作り上げてください。
それを、OpenESやスカウトアプリのプロフィールにコピペして登録する。 そうすれば、あとは企業の方から勝手にあなたを見つけてくれます。

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